2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

虐殺器官 感想

ネビル・シュートの『渚にて』が前世紀の核の恐怖に怯えた人類に読まれるべき小説であったのなら、『虐殺器官』は今世紀最初に起こったテロの恐怖を身近に感じた人類に読まれるべきそれだと思う。しかしこれは何も反戦を謳っているわけではない。我々が、「…

ソラリスの陽のもとに 感想

この作品の何が凄いのかと言えば、当時のアメリカ式宇宙SFの常識を見事に覆した点に尽きる。この本の訳者あとがきに書かれている作者のまえがきで、アメリカのSFについて言及なされているが、これらの見解は本文中にもまるでアメリカのSFを皮肉っているかの…

地球の長い午後 感想

地球に植物が跳梁跋扈したらという設定に作者の圧倒的な想像力を垣間見ることが出来るが、如何せんそれを表現している文章の形容が複雑怪奇であり、かつ、訳が古いこともあり、情景を中々想像しにくかった。ただし、それはプラスにも考えられ得ることは断っ…

こどものじかん 既刊分(〜10巻まで)の感想

とりあえず既刊分全て読んだ。そのうえでの感想。 な に こ れ お も し ろ い。 小学校中学年から高学年にかけての児童――特にこの漫画ではクラス全体の児童を相手に、というわけではなく、とりわけこの時期の子供にありがちな他の子よりもマセている子供――…

幼年期の終り 感想

どこからともなく飛来して来た宇宙人が地球を管理する中で、人類が広大な宇宙においては全くもって意味を為さない存在であるということ。そして来たる人類の消滅は連綿たる時の流れの中で一時の安息に過ぎないが、同時に人類の幼年期の終わりでもあった、と…

星を継ぐもの 感想

まず、ホーガンが処女作でこれだけの内容のものを書いたことに驚きを禁じえない。話自体はそんなに新鮮味はないし、ところどころ欠点もあるのだけれども、段々と謎が明かされていく過程で、そして最後の真実で、SFの夢が最大級に詰まっていた。読んでいて、…

今後読んでいく本の指針

SFは好きなのですが、今まで古典SF、特に翻訳物の古典SFをずっと意図的に避けていました。時折読むということもなくはなかったのですが、基本的には読まないで今日まで来たのです。いろいろ理由があります。古典SFは新しいものを結構読んでいる俺にとってそ…

夏への扉 感想

後半からが本番。ロマンチックだし、構成も上手い。タイムトラベルをすることの問題等を明確に浮き彫りにして、解決している。また、未来に登場するものがリアリティさに富んでいたり、説得力がある。 ただ、人に勧めるほど、勧めたいという衝動にかられてど…

ふっはっくらえ

テイルズ オブ レジェンディア(以下、TOL)、クリアしました。6月23日の日記*1でずっと再プレイしていたいと思っていたと書きましたが、これでようやく数年来――6年ほど――の念願が果たされたことになります。初めてプレイしていた時も面白かったので今回途中…

買いたい本とか

あなたのための物語 Jコレクションのは持っていてなおかつ読了済みなんですけども文庫版も手元に置いておきたいなと。それだけ好きです。 言壺 神林作品でずっと読みたいと思っていたのがこれ。中公文庫版を買おうと思っていた時もありましたが結局買わずじ…

大神届いた

ヤフオクで買ったねんがんの『大神』が届きました。廉価版ではなくオリジナル版です。 今やっているゲーム――TOLですが――が終わり次第早速プレイします。TOLは、現在CQのモーゼス編の真っ最中です。 大神(OKAMI)出版社/メーカー: カプコン発売日: 2006/04/20…

シー・マスト・ダイ 感想

3月17日に読了しました。 近未来の日本で超能力を持つ中学生が自分の好きな人のために戦う話。 キャラクターの設定や行動は多少詰めの甘い所が見受けられるものの、全体は概ね良好です。この話の本筋に大体合っていました。テキストは可もなく不可もなく。起…

機龍警察 感想

3月16日に読了しました。 戦闘兵器を導入した警視庁は搭乗要員として3人の傭兵と契約。それがきっかけで警察内では軋轢が生じた。後に彼らは立て篭もり事件の現場を担当するがそこでSATと対立。そしてその背後には巨大な闇が隠されていた――という話。 近未来…