星を継ぐもの 感想

 まず、ホーガンが処女作でこれだけの内容のものを書いたことに驚きを禁じえない。話自体はそんなに新鮮味はないし、ところどころ欠点もあるのだけれども、段々と謎が明かされていく過程で、そして最後の真実で、SFの夢が最大級に詰まっていた。読んでいて、完全にお話にクラクラと酔える。
 また、指摘している人がどうも少なさ過ぎると思うので指摘するけれども、池さんの英語翻訳はもっと評価されてもいいと思った。正直言ってここまで上手いとは思わなくて、まるで最初から日本語で書かれていたかのような訳文。すらすら読めるなんてもんじゃなかった。
 優れたお話を、優れた翻訳文で読めた。至高の読書体験でした。


星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 余談。これのコミックス版がつい先日発売になったようで。amazonには在庫はないけれども、地元の俺がよく行く書店には5冊くらい普通に置いてあったので、買ってこようかと思っています。


星を継ぐもの 1 (ビッグコミックススペシャル)

星を継ぐもの 1 (ビッグコミックススペシャル)