こどものじかん 既刊分(〜10巻まで)の感想

 とりあえず既刊分全て読んだ。そのうえでの感想。

 な に こ れ お も し ろ い。

 小学校中学年から高学年にかけての児童――特にこの漫画ではクラス全体の児童を相手に、というわけではなく、とりわけこの時期の子供にありがちな他の子よりもマセている子供――を相手に、真面目で実直な童貞教師が、童貞と馬鹿にされながらも奮闘する話。時に同僚の先生の力も借りつつ、トラウマを抱えている子供や、複雑な家庭環境の中で生活してきた子供たちなどのミクロ的な問題から、小学校高学年の子供たちが避けることのできない性に関することや、リアルでも問題視されている流行りの掲示板の扱いに関する問題など、マクロ的な問題まで、あらゆる問題に真っ向から対峙し、媚びず、逃げず、あきらめずの精神で頑張る主人公は小学校教師の鏡――とは言い過ぎかもしれないが、ともかく、ただのロリコンご用達漫画ではなかったと言える内容になっている。急速に進展する子供の成長、しかし子供の成長だけではなく、主人公を含む教師の成長もしっかりと描かれており、子供は大人に、大人は子供に学ぶという、ある種の理想的な教育がどの巻にもある。
 まあ、主人公と特に話の中心になっている女の子がひじょーにマセガキであることから、童貞である主人公に対して事あるごとに「しょーがくせーのあたしが考えるちょっとエッチなからかい」をするのだが、それも子供がやっていると考えると大したことはなく、むしろ可愛いとさえ思えてくるのだ。このからかいは、多くはギャグシーンとして面白おかしく描写されているのだけれども、時折性徴の描写や性の目覚めの描写につながっており、一見するとサービスシーンのように思える場面も、後々重要な意味合いを持つことになるものもあり、なかなか良くできているという印象を受ける。
 ただ、なんか普通の漫画しか読まない人たちに「『こどものじかん』マジ面白いから読んでみろって!」と言ったところで、「ロリコン乙」としか返ってこない――この漫画をそのようにしか捉えられない、それがまともに読んでいなくとも――ことが容易に想像できる。そういう意味で、これを読まない人は勿体ないなあと思う。


こどものじかん 1 (アクションコミックス)

こどものじかん 1 (アクションコミックス)

こどものじかん 2 (アクションコミックス)

こどものじかん 2 (アクションコミックス)

こどものじかん 3 (アクションコミックス)

こどものじかん 3 (アクションコミックス)

こどものじかん(4) (アクションコミックス)

こどものじかん(4) (アクションコミックス)

こどものじかん 5 (アクションコミックス)

こどものじかん 5 (アクションコミックス)

こどものじかん 6 (アクションコミックス)

こどものじかん 6 (アクションコミックス)

こどものじかん 7 (アクションコミックス)

こどものじかん 7 (アクションコミックス)

こどものじかん(8)  (アクションコミックス)

こどものじかん(8) (アクションコミックス)

こどものじかん(9) (アクションコミックス(コミックハイ!))

こどものじかん(9) (アクションコミックス(コミックハイ!))

こどものじかん(10) (アクションコミックス)

こどものじかん(10) (アクションコミックス)