ク・リトル・リトル 〜魔女の使役る、蟲神の触手〜 感想

 汝、魔を断つ触手となれ――ネタバレはない。


 本当に優秀な燃えゲーとはどんなゲームを指すかと問われたら、俺は、「普段燃えゲーをやらないような人間でさえも、それをプレイすれば心が燃え滾ることが出来るゲーム」と答える。往々にして、普段から燃えゲーを数多くプレイしている人はそのジャンル自体が好きなのだからプレイするわけであって、要するに、燃えゲーをプレイして燃えることが出来るのは当然、とまではいかなくとも道理ではないだろうかと思うのだ。
 対象が、燃えゲーとしての真価が発揮させられるのは、あまり燃えゲーをプレイしない人でさえもプレイした時に感動する――心が燃え滾らされる――、それこそが本当に優秀な燃えゲーなのであると、俺には思えてならない。
 だから、これは燃えゲーとしては優秀ではないと言える。その原因は、一体どこにあるのか。


 答えは至って単純なのだが、そもそもこのゲームは何を“売り”にしているゲームかと言えば、1点目は、ゲームタイトルからも分かるようにクトゥルフ神話をベースに伝奇を描いている点。2点目はクトゥルフ神話をベースに触手バトルを描いている点。
 主にこの2点が挙げられるのだけれども、それらがまったくもって中途半端なのだ。
 特にバトルシーンでの描写の薄さがあまりにも際立ち過ぎていることは否めない。世界観、キャラクター設定と、外堀は非常によく出来ているのにもかかわらず、中がどうにも巧くない。
 果たしてこれはライターが意図してやったことなのだろうか。それとも、元々こういう風にしか描けないのか。
 いずれにせよ、(ジャンル名をバトルADVとするには誇張しているだろう!)と思わざるを得ない出来であったことは、まず間違いないと俺はここに断言する。ジャンル名に、偽りありとは言わないけど誇張あり……大体こんなところだろう。


 最後には(主題歌マジ良いなー)程度の感想が少々残った。
 それが、俺にとっての『ク・リトル・リトル 〜魔女の使役る、蟲神の触手〜』。


ク・リトル・リトル ~魔女の使役る、蟲神の触手~

ク・リトル・リトル ~魔女の使役る、蟲神の触手~