通を気取れるエロゲー選

 先日、

 と言ったところ、思った以上に反応がありまして、その後


 ということを思いついたので、“これは”と思ったものを選んでみました。
 ただ書き始めて、さすがに30作品も挙げられませんでした。ご了承ください。
 ちなみに私は、エロゲーをプレイし始めて8年近く経っており、プレイ本数にしてオールクリアした分で200本ほどのエロゲーマーです。
 それではどうぞ。



 サブカルエログロ好き御用達の作品。サブカルエログロ好きがこの作品をプレイして、まるで自分は様々なエロゲーをプレイしたかのように萌えゲーをdisるのはどうかと思います。
 ただ個人的には、おそらくさよ教を語る人の半分以上は、ニコニコ動画等でプレイ動画として見ただけなんじゃないかなと思えるくらい、“プレミア化しているわりには異様にプレイ人口――プレイしたと思われる内容を語っている人をプレイ人口という括りにに含めるのならば――が多い”エロゲーという印象がとても強いです。語っている人全てがそうだとは言いませんが、それにしても些か……。


  • ジサツのための101の方法(公爵)

 さよ教と並んで電波エロゲーの双璧をなすのがこちらのジサツ。さよ教と比べると手に入れやすい感じはあります。
 まあ、この作品を褒めている人は十中八九オーケンの『新興宗教オモイデ教』あたりが大好きなサブカル人間だから、それも相まってホント通ぶっている感じが見ていて結構イライラします。


  • CARNIVAL(S.M.L)

 『SWAN SONG』と5秒ほど迷って、OP詐欺ゲーとして有名なこちらにしました。この作品のパッケージと、小説版を並べて写真にとって、Twitterにアップロードしている人を見ると、「あ、こいつは内心くっそ自慢したいけど表立って自慢すると角が立つから抑えているんだろうな」としか思えないくらい、パッケージの画像をアップロードしている人が多いという個人的印象ですね。おそらくゲームに関しては『さよならを教えて』よりは入手しやすいので、そういう人が多くいるのかなとは思っています。さよ教は入手しづらいからプレイ動画で済ませている人等が多いだろうしね。


 お話は面白いし、OP曲はかなり好きなんですけれども、この作品をプレイして『論理哲学論考』に手を出しちゃったり、クリア後にTwitterで「幸福に生きよ」とかpostしちゃうの本当に痛いと思います。


  • ゴア・スクリーミング・ショウ(BLACK Cyc)

 ゴアスクをプレイした人の、「ゴアスクをやってないなんてやっぱり萌えゲーマーはわかってないな」的な発言をする人がいるのであまり好きではありません。


 よく見かけるのは「最近のLeafはまるで駄目だけど、これは評価できる」という言説を振りまいている通な方が多いのが天いなですかね。鬱々とした展開と、とにかくなんか行きずりセックスばかりなのが受けているのかしらん。あとは主題歌を褒めちぎる人が多いこと多いこと。まあ確かに俺も大好きですけども。
 個人的に、あとは「Leafのグラフィック陣が描く精液エロいなあ」くらいです。


 これをプレイして「ニトロってこんなゲームを作るんだ! すごいな!」という人とは全くお友達になりたくないなあと。


 『ONE』や『Kanon』等ではなく、あえてこちらを選ぶ理由は「陵辱ゲーだから」「狂気をテーマにしているから」「単なる泣きゲーではないから」「昔の麻枝准はこういうのも書いていて良かった」みたいな。


  • sense off 〜a sacred story in the wind〜(otherwise)

 まず『sense off』なんであって『sence off』じゃないですし、「元長柾木は哲学」「『ONE』や『Kanon』を理系的に描いた作品」みたいな言説を見る度にホント辟易します。あと「birthday eve」が好きって人の8割くらいはゲーム未プレイの人だよね、と。*1


  • 好き好き大好き!(13cm)

 「僕のLOVER(恋人)はRubber(ゴム)」な作品。
 サブカルエログロ好きがひたすら持ち上げているのが嫌いですね。


 『未来にキスを』をプレイして拗らせた人が行き着く先ナンバーワンな作品。で、今プレイするなら『君と彼女と彼女の恋。』に行きそうですね。
 とりあえずこれをプレイして、でも小説とか映画とかアニメのメタフィクション系作品には手を出していないのにメタフィクションがなんたるかを語っちゃっている人は……。


 星空めてお作品を褒めている人は大概通ぶっている気がしますが、この作品を語っている人はその中でも2番目位に通ぶっていると思います。
 個人的な印象として、大抵この作品を褒める人は「インモラルな描写」「近親相姦」「キモウト」あたりを褒める方が多く、それらの人は大概ラストのあの描写を貶していて正直言うと俺は辟易しています。この作品は寧ろそれがいいんだよ、そこがいいんじゃないかとSF読みな俺は思うわけです。


 星空めてお作品を褒めている人は大概通ぶっている気がしますが、この作品を語っている人は最も通ぶっていると思います。
 演出が凡百のエロゲーと異なるとか、純文学を題材にしているとか、取り敢えず“『Forest』をそれらしく言葉を並べて如何にも自分内容わかってますふうに褒めると「お、こいつ解ってるなあ」と周りからは見られる、あるいは「俺、『Forest』の内容分かるし……」”臭が半端ない作品。
 だから本気でこの作品が好きで、ちゃんと理解できる人からするとある意味風評被害を受けかねないような印象があります。


 おっさんがこの作品を語っているのを見れば、昔を懐かしんでいるのかなーくらいにしか思いませんが、最近この作品を初めてプレイした人、もしくは未プレイの人が言及しているのを見ると通を気取っているようにしか見えません。また、今になってプレイした人間があの面倒なシステムを褒めているのを見ると視野狭窄というか、典型的な“昔のエロゲーは良かった”勢ですか〜としか感じませんね。
 面倒くさいシステムのエロゲーを褒めるなら、今であれば『古色迷宮輪舞曲』を褒めましょうね〜。*2





 以上です。他にも候補は結構あったんですが、省きました。
 もしもあなたが、上記の作品をプレイして通を気取っているなどと思われたくなければ、あきらかに管理された、クリエーターとは呼べない方々が作る、当たり障りのないゲームを量産するメーカーに資金を投じる事をお勧めします。
 いずれにせよ、この記事がエロゲーをプレイする人に読まれ、自分が好きなエロゲーや、それにまつわる面白い出来事、あるいは自分の周りにこんな通ぶった人が居た、ニワカな人がいた等々、様々な話に花を咲かせていただけるのであれば、これに勝る光栄なことはございません。

*1:SHIHOの場合だと「kiss the future」の場合もあるんで、思い当たる方――もしくは両方で認識していただければ。

*2:エロゲーじゃないけど『涼宮ハルヒの追想』もかなりリスペクトされていましたね。