君と彼女と彼女の恋。

 プレイし終わった。まぁ、お話の最後でこういう回答(解答ではない)を出せた、ってことで傑作でいいんじゃないかしらん。好き度合いで言ったらそこまでではないんだけど……。
 制作者、例えばライターがエロゲーでなにかやりたい題材があって、その題材を実現するためにはいささかプレイヤーに不便を強いるような、そんな演出方法や、制約を付けなければならない、となったときに、どこまでそれを推し進められるか。もの(製品)にするのか。なんというか、ここはニトロプラスというブランドの強み、なんじゃないのかな。
 よくニトロのゲームを評して「こんなゲームを作るのは、ニトロくらいなもんだ」ってよく聞くし、俺もわりとよく言うんだけど、今回はそれが本当に強かったな、という。いや、題材的には前例はあるし、ああこういうことを今回ニトロはやるのね、とは思ったんだけども。

・メタなお話。
・システムの中でシナリオが動いているのではなく、シナリオがシステムを凌駕するタイプ。
・(評価は別にして)とにかくエロゲーを、とりわけ学園ものや萌えゲーをたくさんやっている人。

が好きな人にはオススメなんじゃないかなぁ。ちなみに俺は2番目に当てはまります。最終局面では、あぁ……と感嘆してしまった。



 追記
 エロゲーで電卓を使ったのはこれで二度目だよ!
 しかも同じメーカーだよ!


−−−−−−−−−−−−−−−−−キリトリ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 追記2(このゲームと、『ニーアレプリカント/ゲシュタルト』と『ゼノギアス』のネタバレあり)

 まず、最後の選択肢を選んでエンディング、そしてその後スタート画面に戻りCGやシーンをみてみると……という、ニーアでも同様というか、選択することによって(つまりシナリオによって)システムが書き換えられる。

 次に、このゲームで提示されるエロゲーヒロインってのが某所曰く
“カミサマはヒロインの象徴的存在(イデア)であり、アオイはその一部から派生し、本作の世界に最適な形で生み出されたヒロイン”
 となっているんだけど、つまりこれは全てのエロゲーヒロインという存在は大元になるものがあり、そこから生まれ、箱となる各々のエロゲーに入っていく、という体系となっている……ってこれ完全にエロゲーヒロインそれ自体が宇宙というか、エロゲーヒロインという名のSFですよこれ。この体系の提示に驚いた。プレイヤーに話しかけるエロゲーヒロイン、というだけのメタエロゲーから一歩進んでいる気がした。
 そして俺はここで、ゼノギアスのOPでオリジナルエレハイムがミァンに云々、みたいなのを想起した。