元長柾木ファンブック WORLD SHIFTER 感想
サークルLost in the Frontline*1(litf氏*2)の『元長柾木ファンブック WORLD SHIFTER』(以下、元長本)を読了しました。
まず冒頭、この度の元長本のご完成、おめでとうございます。読了し終えた感想を、簡単に。
うつろあくたのロングインタビュー、そして論考集(表紙では評論集となっていますが)については、元長作品を省みる上で今後幾度と無く読みなおすことになるであろう、豪華な内容となっておりました。
わたしのすきなもとながまさき。リアルタイムでの長年のファンから若い世代までということで、十人十色といった感じです。ちなみに今回、この「わたしのすきなもとながまさき」企画で寄稿しています。おそらく自分は若い世代ということになるんでしょうが、このテーマにおける寄稿者5人、もとい、元長作品に触れている人の中で、こんなプレイ経緯は日本全国探しても俺くらいなもんじゃないか? と他の人にはまず書けないであろう元長作品に出会うまでのエピソードになっているのかな、とは思います。実話ですよ。
元長柾木 全仕事リスト完璧版。完全版ではなく完璧版ということで、litf氏の、言葉に対して誠実な態度が伺える表現の仕方だなと感じました。まとめは骨が折れる作業であったと思います。お疲れ様でした。
……さて、あの2年前の夏コミ時にlitf氏から購入した『THE ADVENT 準備号』(以下、準備号)ですが、
実は未だ手元にたくさんあります。*3
今回、この準備号を読み返してみました。そこで気になった文があります。
鼻からうどん食え!(挨拶)
ではなく……
元長柾木の作品や発言が自説や主張を補強するための材料として都合良く使われていることがある
(中略)
作品からどのような感想を得ても自由だとは思いますが、作者や作品に責任を負わせる形で自説を展開するのは全く違う行為だと思うのです。
という文です。
このlitf氏の姿勢は、元長本が頒布されてから、氏のブログで公開されたファンブック未掲載原稿「“元長柾木を読む”困難さ」*4でより一層、強く、語られておりました。
十分に検討を行ったとはいい難い解釈が元長柾木の言葉とみなされ、更には様々な主張や外部のテキストと接続して語られている
(中略)
酷いものになると元長のテキストを内容とは実質無関係なアジテーションや、自分が悦に入るためのポエムの素材としか思っていないようなものまで見受けられる。アジテーションは言い過ぎにしても、内容をどこまで検討しているか怪しいものは少なくない。中にはテキスト内容の検討以前のものもある。元長柾木が藤木隻と共作でシナリオを担当している『猫撫ディストーション』シリーズはシナリオの分担については正確には明かされていない。元長柾木のシナリオとして内容を語るならばどちらが担当した箇所か、という点を検討するところからして慎重さが求められるはずなのだが、無頓着なままに元長のシナリオとして評価を下している光景を見たのは一度や二度ではない。
一部を引用しましたが、読み終えて、掲載していただきたかった……と思いました。
いずれにしましても、こういった姿勢は今後も、見習っていきたい所存です。
最後に。ほぼlitf氏への私信になってしまいますが、僭越ながら申し上げますと、私的な都合とはいえコミケ会場にて本の頒布に立ち会えなかったこと、申し訳無い気持ちでおります。
と言いますのも、思い起こせば2年前の夏コミ。『THE ADVENT 準備号』の頒布に立ち会い、これは是非様々な人の手にとってもらいたいと決意したのがきっかけで。その後も大変懇意にお話させていただいておりましたので、完成したあかつきにはなんとしても会場で頒布に立ち会って、ともに喜びをわかち合いたいと思っていました。
残念ながらそれは叶いませんでしたが、今こうして「元長柾木ファンブック THE ADVENT」改め、「元長柾木ファンブック WORLD SHIFTER」を手に取ることができて、喜ばしい限りです。
本当に、本当にお疲れ様でした。
P.S.
〜準備号まえがきにて〜
今回の準備号を(中略)お持ち頂いた方は、オフセット版を割引きさせて頂く予定です。*5
…………コミックZINでの購入でもいけますかね?
なんか台無しにしつつ、了。
*1:http://d.hatena.ne.jp/litf/
*2:https://twitter.com/litf_tw
*3:布教するから! と言って結局出来ませんでした。ちなみに今後駿/河/屋に入荷しても疑わないでね……。
*4:http://d.hatena.ne.jp/litf/20150826/p1
*5:実際の本でも太字でした。そういう問題じゃない。