2010年に読んだ本ランキング

 それではランキングの発表です。見方は、「○位……作品名/著者名/出版社名もしくはレーベル名 (改行) コメント」になります。ちなみに出版社名もしくはレーベル名の部分は、最も新しいものを採用しています。つまり、文庫化されていれば文庫のレーベル名を、なければハードカバーが出版された出版社名を表記しているということです。また、絶版や重版未定のものもそのまま出版社名やレーベル名を書いています。現在では新品で手に入らないことが予想されるものもありますので、一応こちらで「(現在絶版・重版未定)」と添え書きはしていますが、もしもこの記事を読んで買う気になったという人がいらっしゃいましたら、ご注意ください。
 では、どうぞ。
10位……バベルの薫り/野阿梓/ハヤカワ文庫JA(現在絶版・重版未定)
コメント:シナリオライター元長柾木の日記にて知り、読んだ。この作品を読んで、そしてSFマガジン2009年10月号の著者インタビューも読んで、野阿梓にはまり出した。次の野阿作品は日本SFの大傑作と名高い兇天使を読みたい。


9位……恋/小池真理子/新潮文庫
コメント:昨年、小池真理子作品に陶酔していた一時期がありました。大人の特に女性向けの恋愛小説の良さを知りました。そろそろ何か小池真理子作品を読みたいなあ。


8位……紫色のクオリア/うえお久光/電撃文庫
コメント:イリヤの空、UFOの夏以来のこのSFが読みたい!にランクインした作品がこちら。量子論SFの傑作です。


7位……猫の地球儀/秋山瑞人/電撃文庫
コメント:これを読んで俺は晴れて瑞っ子になりました。哀愁漂うラストは必読。SFと猫は切っても切れない関係だよね。


6位……沈黙のフライバイ/野尻抱介/ハヤカワ文庫JA
コメント:短編集。地球外生物、惑星間飛行、恒星間探査、火星植民、宇宙飛行といったキーワードに惹かれる方にお勧めです。


5位……あなたの人生の物語/テッド・チャン/ハヤカワ文庫SF
コメント:想像力とはかくあるべし。この人の長編が読んでみたい。


4位……グラン・ヴァカンス 廃園の天使I/飛浩隆/ハヤカワ文庫JA
コメント:とにかく清新で、美しくて、残酷なSF。廃園の天使Ⅱは手元にあるので早く読みたい。


3位……あなたのための物語/長谷敏司/ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション
コメント:死に真っ向から挑んだ長谷敏司の労作にして力作。日本SF大賞にノミネートされただけのことはある。ただ、その時のこれ以外の日本SF大賞ノミネート作品が傑作揃いだっただけに、という部分も否めないと思うんだよね。この人のSFはこれからも追っかけていくよ。


2位……ハーモニー/伊藤計劃/ハヤカワ文庫JA
コメント:日本SF大賞受賞作品。我々が生きているこの世界の今を見据える、という点においてハーモニーの右に出る作品はないじゃないかな。もちろんこの小説全体の仕掛けも面白かったです。泣いても笑ってもこれが伊藤計劃最後の長編だと思うと……本当に悔しいね。


1位……虐殺器官/伊藤計劃/ハヤカワ文庫JA
コメント:読み終えて数ヶ月経った今もなお、この作品について語ろうとすると言葉に窮してしまう。語りたいことがないのではなく、語りたいことがありすぎて、語ろうとすると溢れすぎて、でもいざ語ってしまうとこの作品が終わってしまいそうな気がして。あまりにも衝撃だったとしか言いようがない、それが俺にとっての虐殺器官です。大森望の解説文は、泣いてしまうので軽い気持ちで読み返せません。これほど衝撃な作品というのも、自分の読書歴の中でなかったものだし、これからも中々ないのではないかなと思います。


 以上、2010年に読んだ本ランキングでした。3日間お付き合いいただきありがとうございました。このブログの読者がどれほどいるか分からないけれど、どこかの誰かの参考になれば嬉しいです。
 来年(今年?)同じような企画をやるとしたら、今年の年末から来年の年始にかけてやります。まあ、俺は趣味が循環しているので、次の日になったら突然他のものにはまる、とかって状況があり得そうだから約束は出来ませんが。
 では、明日からはまた通常通りの更新でいくよ。