ハローサマー、グッドバイ 感想

 序盤はそれこそ少年と少女たちによる青春小説。と思いきや、中盤以降は少年と少女による恋愛小説であり、少年が大人になってゆく狭間においての戦争小説であり、そしてそれらが上手く噛み合った上での終盤は見事なまでのSF小説だった。
 読んでいる途中で何度か伏線めいた文章に出くわしては、どのような結末になるのだろうかと思っていたが……まさかの、鮮やかなくらいのどんでん返しには舌を巻くほかない。
 全ては最後の3ページのために。青春恋愛SF小説の傑作だ。
 ドローヴとブラウンアイズの“未来に”祝福を!


ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)


 蛇足だけど、俺の求める話はこういう話なのかもしれない。