はぐれ勇者の鬼畜美学 2巻 感想

 主人公の俺TUEEEっぷりが前巻と同様に遺憾なく発揮されていたのだが、隠された真の強さの一片も垣間見ることができた2巻だった。また、次巻への、話の核心に繋がるであろう布石も特に最後にあり、気になる終わり方となっていた。1巻であった「聖水の絆」的イベントは、本巻では(以下ネタバレのため伏字)下着を買いに行った主人公と妹とのあれこれ――口絵最後のページがそれ――といって良いだろう。読んでいて保養になるイベントだった。
 作者が後書きで「RPGがTVゲームのジャンルでは一番好き」と言っていた事に対して、RPGが好きな俺は親近感を覚えた。作中での出来事を、「この部分はいわゆるRPGでいうところの○○にあたる」といったような例え方をしてくれているのは分かりやすいし、好きなジャンルなだけあって想像しやすい。ライトノベルという媒体ではあるが、RPGならではの、広域に及ぶ話の展開の手法と似たようなものがこの作品シリーズには息づいているのだろうなと、感じずにいられない。


はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ)? (HJ文庫 う)

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