2014年のエロゲーベスト5

  1. あの晴れわたる空より高くチュアブルソフト
  2. 星織ユメミライ(tone work's
  3. ヒマワリと恋の記憶(MORE
  4. 少女猟奇譚 獣の告白(BaseSon Light)
  5. 蒼の彼方のフォーリズムsprite

 そんなわけで、2014年発売のエロゲーで自分がプレイしようと思ったものについてはほぼプレイし終えたので、トップ5作品を選んでみました。

 ロケットを宇宙まで飛ばす為に部員達と奮闘する学園物。バラバラだった部員達が心を合わせ、何度も挫折と失敗を経たのちに、ロケットの打ち上げが成功したシーンでは素直に感動しました。原画に不満なところが無くはないが、その短所をも打ち消して尚余りある、否、余りあり過ぎる熱い物語がこの作品にはあった為、2014年のベストです。翼は夢、そして宇宙<そら>へ。

あの晴れわたる空より高く

あの晴れわたる空より高く

  • 2.星織ユメミライ

 学園の委員会での活動を通じてヒロインと結ばれ、社会人となったあとのヒロインとの生活までスポットをあてた青春純愛物。特別な出来事は何もおこらず、この作品にあるのはただひたすらにヒロインとの繋がり。丁寧な描写と奇を衒わない真っ直ぐな恋愛。どのヒロインのHシーンも十二分に描かれ、原画、シナリオ、音楽どれをとっても正直言って非の打ち所がありませんでした。減点法で行けば100点になるタイプの、超優等生的作品の中でもマスターピースかと。2位ですが、もう同率1位ってくらい、この作品は大好きですね。

星織ユメミライ

星織ユメミライ

  • 3.ヒマワリと恋の記憶

 こちらも青春学園物。なんだけれども2位の『星織ユメミライ』とは些か毛色が違っている。普通にプレイしていくと、話の途中で意味深な発言があったり、なんかモヤモヤが残ったままラストを迎えて――さぁこの作品はここからが本領発揮。ネタバレになるんでこれ以上は控えますが、パッケージにある「また君に恋をする」というキャッチフレーズを頭の片隅においておくと、ちょっと幸せになれるかも。原画は安定感があり、Hシーンはわりかし濃い目なのでそこそこ満足。捻りが利いているシナリオが特徴の作品です。

ヒマワリと恋の記憶

ヒマワリと恋の記憶

  • 4.少女猟奇譚 獣の告白

 関東大震災後の帝都を舞台に、文士である主人公とその家政婦である元令嬢、そして主人公がとある文芸サロンで知り合った元娼婦の三人を巡る、世にも数奇な物語。間違いなく2014年のダークホースにして、逸品。個人的にラストシーンは必見中の必見、今時こんな作品が出るところには出るんだなあと感心させられました。J・D・カーの『火刑法廷』、最近だと野崎まどの『舞面真面とお面の女』が好きな人にはお勧めのひと品かと。
 →DLsiteのページ

 空を飛ぶことが自転車に乗るくらい簡単に可能な世界を舞台に、フライングサーカスというスポーツを通じてヒロインと結ばれる青春学園物。登場人物たちが過去に何らかのトラウマや苦い記憶を抱えていて、それをフライングサーカスを通じて共有・解決する中でヒロインと恋愛感情が芽生え、関係が生まれつつ、最後には精神的に大人になっていく――ストレートな王道成長物語。読み手を上手いこと煽って主人公やヒロインに感情移入させるその手練は、なんというかさすが木緒なちと言わんばかり。良いエロゲー体験でした。

蒼の彼方のフォーリズム 初回限定特装版

蒼の彼方のフォーリズム 初回限定特装版

  • まとめ

 以上。私的には『あの晴れわたる空より高く』と『星織ユメミライ』が傑出していました。この2つがプレイ出来たのはとても良かったと思います。またマイフェイヴァリットとしては『獣の告白』を推したい。ちなみに6位以下は、順不同で

月に寄りそう乙女の作法2』……ファーストつり乙に比べると高水準にまとまっているがパンチに欠ける。月はいつもそこにある。
『キミのとなりで恋してる!』……エロシーンに魅力あり。さすがおるごぅるおぅんごぅる。
『なないろリンカネーション』……ミスリードが上手い。
ひこうき雲の向こう側』……ひこうき雲の向こう側にいたのは俺だったという話。
『BALDR SKY Zero 2 -バルドスカイゼロツー-』……まぁ無難に。でも長いよ。
『ハロー・レディ!』……まぁ無難に。でも(若干)長いよ。

 と続きます。
 やはり「これは傑作だ!」と知り合いに土下座してでも薦めたくなるエロゲーを毎月コンスタントにプレイできるのが理想なんですが、その為には本数を稼がないといけないし、本数を稼げば稼ぐほど可もなく不可もない作品に当たる確率は上がるし、なかなか難しいですね。ちなみに批評空間への感想登録数で、30作品ほどになる予定です。
 2015年の作品は、今日あたりからボチボチ進めていきたいと思います。それでは。



 P.S.
 2014年エロゲー感想文集(仮題)で、夏コミに本を出す予定です。