ミニスカ宇宙海賊 2巻 黄金の幽霊船 感想

 只今テレビアニメが放映されているモーレツ宇宙海賊の原作、ミニスカ宇宙海賊シリーズの2巻目の感想です。


 1巻ではまだ表層しか書かれていなかった海賊船の仕組みや人員などが具体的に描かれ、愈々本編に突入したということが伺える巻でした。と言っても今のところお話自体は1話完結(1冊完結)という体裁で、シリーズが1つの直線で繋がっていて、最後まで読まなければ分からないシリーズというものではありません。飽く迄も副題がメインとなっています。
 笹本氏らしい、艦隊戦や宇宙の描写は熟練した文章も相まって、ガチでSFをやっているのだけれども読み易いと同時に読み応えがありました。昨今に本当によく在りがちな、キャラクター重視のライトノベルではなく、この登場人物ならば、こういう展開になったのならばこう動くだろう、という、ただそれだけに従ってキャラクターは動き、ストーリーが展開されています。電子線の攻防は勿論、宇宙船で航行することについての記述は、この手のものを幾つも書いている人でなければ容易には為し得ないだろうと思われる程でした。また、所謂起承転結の結の部分は若干の驚きがありました。全くそれと気付かせずにあのようなオチにしてきたのは、流石ベテラン作家の仕事と言わざるを得ないでしょう。
 様々なネタを詰め込んだ面白いシリーズとして、次巻も期待です。*1


ミニスカ宇宙海賊2 黄金の幽霊船 (朝日ノベルズ)

ミニスカ宇宙海賊2 黄金の幽霊船 (朝日ノベルズ)

*1:実はこの時点で既に読了済みでした。後日、3巻の感想はあげます。