時砂の王 感想

 3月15日に読了しました。


 物の怪に襲われていた邪馬台国の女王・卑弥呼の元に使いの王を名乗る者が現れたが、その人物は敵を追うために2300年後の未来からやって来たのだった、という話。
 背水の陣である時間遡行戦における使いの王と女王のやり取りが、最後には感動無しでは語れない内容となっていました。タイムパラドックスの扱いも上手く、縦横に広がる話の規模の大きさにも感嘆。
 そして何よりも、高密度でありながらこのページ数が少なく纏められていることには舌を巻く他ありません。文章の勢いもよく、様々な要素が詰め込まれていながらもすっきりと読めます。
 傑作でした。


時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)