円環少女 1巻 感想

 本作品を語る上で重要なことは、我々が生きている現実世界の事象を改変した上での魔法設定や世界観設定を基盤にした話であり、かつその魔法設定等はただの不思議設定、ファンタジーチックなものではなく、あくまで論理的なロジックに基づいてなされているという点。そしてその緻密なロジックに基づく話作りは、本作品以前に科学的ロジックが重要となるSFを書いていたことや、ここ2〜3年はハヤカワJコレクションやSFアンソロジー参加などに代表されるSF作品の上梓にも通ずるものがある。実に長谷敏司らしい作品。


円環少女 (角川スニーカー文庫)

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