ツゴウノイイ感想

 OYOYOさんの「エロゲーのプレイ本数を重ねて見えてきたもの・見えにくくなったもの」を読んで、現時点での自分のスタンスを記録しておこうと思います。
 ちなみに2015年3月時点で、エロゲーをプレイし始めて10年目に突入し、批評空間に登録しているエロゲーの本数は230本ほど(ギブアップしたものも含む)の自分が、記事を読んで思ったことです。
 記事の文章を引用していく形で記していきます。


>私はエロゲーについて「語る」人間なので、このことは非常に大きい意味をもつ。なんだかんだ言って、数をこなしたからこそ語れることというのはあるからだ。
 周辺だと、本数をこなすことに対して否定する方が多いと感じているんだけど、自分は全くの逆で、「ファクトとして、多くを語るには本数をこなしていないと幅は広がらない」と思っている。極端な例だけど、10本クリアした人と、100本クリアした人なら、どっちが話に花を咲かせられるか、といえば後者だと間違いなく思う。よく「SFを1000冊読め」とかって、まああれは半分ネタだとは思うんだけど、エロゲーに言い換えても、やっぱり量をこなすことによる、会話の幅の広がり具合ってのはあると思うんだよね。こう言うと、本数が少なくても語れる人だっているじゃないか、という反論があると思うんだけど、そういう人に限って、時折、この点を完全に無視していたりするので、まあなんというか。ちなみに俺としては、クリア本数が少なくても、クリア本数が多い人と同等か、それ以上に語れる人はいるかもしれないけれども、自分にとって絶対数が少ないので少々説得力には欠けると感じている。


>私たちがエロゲーをプレイし感想を抱くとき、2段階の経験をするのではないかと思う。作品を単独で味わう経験と、それを比較の中で位置づけるという経験である。
 絶対評価相対評価ってことを言っているのかなとは思うんですが、自分の場合、どちらもやったことがある。あと、自分に都合のいいように評価の仕方を変えているってのもある。
 それと重要な事は、人に対して語る時、どちらの評価尺度を基に語ったほうが分かりやすいかな、ということも考慮して話す場合がある。


>たとえば、ある作品でシナリオライターが公表されていた人間と違っていたとする。そのとき、比較の視点は「(理想の)公表通りの作品」と「(現実の)嘘を含んだ作品」を並べ、容易に後者を劣ったものとみなすだろう。だが、たとえライターが「偽物」であったとしても作品それ自体としてはじゅうぶん楽しいということはあり得るはずだ。そして、感想というならこちらのほうがそれらしい。
 『Dies irae』の某騒動*1に於いて、「こりゃ正論だわ(ただし発言がこの場ではなければ更に良かった)」と確信を持って言えることが一つある。そも、我々はクリエーターの名前が予め公表された上でエロゲーをプレイしているから、自分も含めておそらく大多数の人がある種の錯覚に陥っていると思うんだけど、仮に特定のエロゲー原画家シナリオライター、BGM担当等スタッフ情報の全てが未公開で、そんな作品に対して評価をどの点で下すか、という問題があったとしたら、間違いなく「面白いか面白く無いか」に収束されると思うんですよね。つまりクリエーターの名前(正確には名義といったほうがいいかな、ゴーストライターなんてのもいるわけだし)なんてのは些細なものである、と。ただ、少なくとも消化しきれないほどに毎月たくさんのエロゲーが発売されていて、やっぱり買う基準の大きな割合を占めるのは「どういうスタッフ(あるいはメーカー)が制作しているのか」なわけで、いわゆる初対面の人に対して先ず以て第一印象は見た目、エロゲーに置き換えればキービジュアルや、現状スタッフ情報にもその傾向は大いにあると思うのよね。


>プレイ本数を重ねれば、よく「分かる」ようにはなる。しかし、よく「味わえる」ようになるかというと必ずしもそうではないだろう、というのがいまの私の感想だ。
 自分はそうじゃないかなあ。というか、分かると味わえるって自分の中で同義で、ここは捉え方の違いでしかないのかなと思いつつも。事実、自分の場合、エロゲーをやり始めた初期の頃は、いわゆるシナリオゲーなんて毛頭興味がなかったし、いわゆる萌え〜な絵柄の可愛い女の子のエッチで抜くだけで満足だったし、やがてシナリオゲーに触れ始めていったら、その面白さが分かるようになっていったし、分かるようになっていったら(つまり本数が増えていったら)、ふと過去のシナリオゲーを再プレイした時に、これはこういうことだったのかと気付く(より深く味わえる)、ということが少なくないしなあ。



 以上です。概ね思ったことは書き記しました。また気付いたことがあったら、追加していきたいも思います。






 P.S.
 大事なことを忘れていました。


>私も30半ばになり
 えっ、OYOYOさんって30台半ばなの?
 (記事の冒頭、マジでこう思ったのよ)