相州戦神館學園 八命陣 感想

 戦闘で退屈し、ストーリー展開でくどさを感じた作品。
 一言で言えば、各ヒロインのルートを攻略し周回することに意味があるお話。そう言った意味では、オールクリアして初めてこの作品の全貌が分かるという構成になっているんですが、いかんせん戦闘シーンで退屈したり、「いい感じで敵を押している、倒せそう→やっぱり倒せそうにないよ……→絶望、登場人物たちがやられ始める→だがちょっと待ったぁ!(一転攻勢)」といったバカの一つ覚え的な一連の流れを延々と繰り返して兎に角くどいなあと思いました。致命的なのは俺自身が好みじゃないネタだったというところ。オラショとかミサ曲をネタに使っていたりしており、元々合唱曲で同様のものを聞いたり歌ったりしていた身としては(こんなネタを使うエロゲーと出会うとはなぁ……)と思ったんですけども、別に八犬伝とか興味ないし、上記のような退屈さ・くどさも相まって最後辺りでは(主人公たちの友情? 絆? どうでもいいわ)となっていました。
 各ヒロインのルートを一人ずつ攻略していく、その行為そのものに意味付がなされており、その手法は俺も大好きなんですけども、技術的なことに関して、この正田崇というライターはミスリードが巧くないなあと思います。別にミスリードをさせることが主な目的じゃないので、巧くなくたって、という意見も尤もなんですが、単純に巧くないという事実はあるのかなと。
 あと戦闘シーンは理詰めというか、ライターはしっかりと頭のなかで理論構築(ある程度矛盾がないように体系を考えるという意味で。別に科学的根拠を持ち出したり〜という意味の理論構築ではない)をし、その理論に基づいて描いていると思うんですが、別段この戦闘にも興味が持てませんでした。
 ただ、ヨナオケイシの音楽は素晴らしい。暫く振りに、エロゲーをプレイし終わって(この作品のサントラがほしい!)と思いましたね。


相州戦神館學園 八命陣 初回版

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