エロ漫画傑作選2011

 毎年エロゲだったりエロゲ以外のゲームだったりアニメだったり小説だったり漫画だったりと常に軸がぶれているんですが、その中でも昨年は1年を通じて、エロ漫画の新刊(作者固定買いと新規開拓)をコンスタントに追っていた年でした。と同時に、旧作漁りにも余念がなかった年でもあります(あまりその手の記事は書いていなかったりしますが)。
 そこで、エロ漫画傑作選2011と題しまして、昨年刊行されかつ読んだ中でこれは私的に傑作だった、というものを選びました。
 基準なんですが、単純に俺が好む作品は、自分の嗜好にあっているものです。ただその嗜好には2つの意味がありまして、1つは絵やシチュエーション、台詞等を総合してエロシーンが自分の抜きどころに特に合致していること。もう1つは、全体のストーリーラインが自分の好みであることです。どちらも揃っている必要があるわけではなくて、片方あればいいというか。ってかここまで書いておいて言うのもあれだけどわりと曖昧だったり。とりあえず挙げたいと思ったものを挙げています。
 それではどうぞ。敬称略。


 とにかく手にとって読んでみてください。とにかく。*1

  • 『淫靡テンプテーション』 inkey著 エンジェルコミックス

 キャッチフレーズは、全てのエロ漫画描きが嫉妬する才能云々でしたかしらん。イラストも多いんですが使えます。漫画は、もう少し尺があれば今年のベスト作品になり得たかも。
 あとこの人はエロゲライターの和泉万夜さんと組んで同人誌も発行していますね。そっちもちまちま読んでいますが中々(元ネタ、有名な作品ですが俺は知らなかったりする、けれどエロいし絵が好みなので読んでいます)。

 超大型新人1人目。表紙の女の子が可愛すぎるだろー。
 この人の長編もいつか読んでみたいですね。

  • 『先生を見てください』 楓牙著 MUJINコミックス

 先生がかなり可愛い。ストーリーラインも俺好みに持っていく人だという確信を得たので、すぐさま過去作を集めましたとさ。
 絵は今の方が矢張り好きですね。

  • 『孕みたい彼女』 笑花偽著 エンジェルコミックス

 超使えました。この人の他の単行本も買って読んでみましたが、超使えました。
 この人、一応純愛路線で行っているのですが、その中でも一部陵辱っぽいのが入ったり、NTRっぽいのが入ったりしますね。だがそれもよい。

 カラーが多く、出来はまあまあ良く読み応えは十分。
 ただハーレムよりも1対1の方が好きではあります。「めんくい!」の続きもほんのちょっとだけあって、この2人は変わらんなあ、と。

 ストーリーが素晴らしい。エロも良く出来ており実用性がある。
 その上で女の子がかなり可愛く描けている。文句なしの年間ベスト作品です。

  • 『Only You』 青木幹治著 ホットミルクコミックス

 兎にも角にも節子さんシリーズでしょう。前作も読んでいれば尚楽しめます。

 超大型新人2人目。この人、GA文庫の『踊る星降るレネクシル』の挿絵をやっている人で、名前は知っていました。当初、この人商業でエロ漫画を描いているのか……と驚きましたが(同人でエロも描きます、って絵師はかなりいるけれども、商業でもやるって人は中々見かけませんので)、漫画作品として普通に上手くて更に驚きました。

 超使えました。話も面白い。が表題作は続きがあるんでしょうかね。
 この人の漫画や、別名義・時原マサトの漫画も集めて(と言っても1冊だけなんですが)読みましたが、そちらも超使えました。

  • 『生膣ひゃくぱぁせんと!』 あかざわRED著 ポプリコミックス

 くぱぁシリーズ(公式のシリーズ名ではありません)最新作です。実は、今まで他のあかざわRED作品は読んだ事があったのですが、そんなに食指が動くものではありませんでした。ただ、今作はまちがいなく嗜好ジャストミート。話もキャラもエロも良く出来ております。

 天太郎作品は、そこまで凄く好きと言う訳ではないのだけれどもちまちま追っかけています。
 それを踏まえて、今作が天太郎作品の現時点でのベストと言っても良いでしょう。

 超使えました。
 どうでもいいですが、TwitterのマイTLの一部でドリルムラタが話題になった時、誰だったかが「ドリルムラタってエロゲメーカーで言うところのアトリエかぐやみたいなもんだよね」と言っていて、豪く頷いた記憶があります。つまりはそういうこと*2

  • 『PANDRA―白き欲望 黒の希望― II』 エレクトさわる著 アンリアルコミックス

 続き物完結巻。ストーリーは良いと思いましたが、あくまでエロ漫画的な肉付けとして働いているので、こんなもんかなという印象もありました。エロは言うまでもなくよろしい。


 雑感としましては、この記事を書こうと思いついた当初、10作品挙げられるかなあと心配だったんですが、軽く越えてしまってなくなく削ることに。それでも10作には絞り込めませんでした。豊作の年だったと強く思います。とりわけ、処女単行本が刊行されたエロ漫画家では、inkey、ホムンクルスたかやKi八尋ぽちらの注目が目覚しいですね。これら多くの、処女単行本である作家の新刊がアキバblogにも記事が掲載されました。2作目以降の単行本が待ち遠しい限りです。
 昨年処女単行本が刊行され、今年2作目が刊行された作家では、tosh、赤月みゅうとらが挙げられます。1作目にも拘らず大物を醸し出していた人が多い印象でしたが、2作目でも実力が十二分に発揮されていまして、ファンとしては嬉しい限りです。
 さらに、エロ漫画は基本的に1冊で完結の作品が、自分の見立てでは9割を越えると思っているんですが、珍しく続き物の作品がいくつか刊行されました。リストにあるものだと、『Only You』の節子さんシリーズや、『PANDRA』はそれに該当します。どれも楽しませていただきました。
 これは直接エロ漫画に関係あるわけではないのですが、エロ漫画作家の一般漫画(18禁印のない実質中身はエロ漫画、というものではない)への進出、注目も目覚しかった年だと思います。数年前に空前のアヘ顔ブームの火付け役となったと言っても過言ではない、『ツンデロ』でお馴染みの武田弘光の一般漫画作品『マケン姫っ!』が、TVアニメ化されたことは記憶に新しいことと思います。好きなエロ漫画家で加瀬大輝やRicoなどの作家の一般漫画作品も、作家買いということであまり期待せずに買って読みましたが普通に面白い作品でした。特に『マンけん。』は続きが気になって仕方がありません。
 また個人的な事なのですが、エロ漫画について主にレビューや感想を書かれているブログさんの記事を、読み始めました。えろまんがかんそうぶんさんや、酒とエロ漫画の日々。さん、ヘドバンしながらエロ漫画!さん等、更新ごとにいつも楽しく読ませていただいておりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします(と一方的に挨拶)。
 こんなところですかね。余談ですがとらのあな秋葉原店Aの2011年エロ漫画ベストセラーランキングが出ました。まあ順当なんじゃないかな。


少女×少女×少女 (MUJIN COMICS)

少女×少女×少女 (MUJIN COMICS)

*1:掲載雑誌が快楽天なので、単行本はランクインさせてもいいですよね。

*2:まあ、ごく稀におおっっという作品が出たりしますが、アトリエかぐや。disっているつもりはありません。