独自のセンス(笑)

 とある知人が、

エロゲーマーの俺が独自のセンスで選んだ漫画を幾つか紹介したいと思います

という日記を書いていて、どんな漫画を紹介してくれるんだろうと思いわくわくしながら下の文を見てみたら、なんと、

・三月のライオン/羽海野チカ

 うーん……矢口真里の某コピペと同じじゃないですか、ということはさておき。
 そもそも“エロゲーマーである”という前置きは必要だったのか甚だ疑問です。エロゲーマーであるという肩書きを引き合いに出すまでもないのではないでしょうか。いや、エロゲーマーであるという肩書きを引き合いに出さなければものを語れないのでしょうか。いずれにせよこの人が何をお勧めしようと俺には関係ないですが(つまり口を挟むことはできない)、あなたが選ぶまでもなく3月のライオンは多くの人に読まれていると思われます*1。また、“エロゲーマーである俺が”は“独自のセンスで”にかかることを考えると、これ、深読みができないこともないですよね。「エロゲーマーである俺が勧める漫画だから、エロゲーをやる人は是非読んで!」って*2。しかも、その日記の下の文に書かれてあった3月のライオンを勧める理由から、エロゲーマーであるという独自の観点が正直言って伺えない内容だったのです。こんなの、エロゲーマーであるかどうかなんて関係ないんじゃないか、と。
 独自のセンスを語るって、果たしてこういうことなのかなと考えてしまいました。だからと言って、エロゲーをやらない人たちが読まないような一般人の嗜好傾向からは外れたどマイナーなものを勧めろ、ということではありません。ただ、“独自のセンス”とか“エロゲーマーである”などのような言葉を前置きとする際に、今一度この内容の日記を語る上で冒頭にこの言葉を置くことが本当に適切か否かということをしっかりと見極めないと、ただ闇雲に肩書きを振りかざしていかにも至極真っ当に勧めていると読み手に捉えさせてしまうんじゃないでしょうか。それは、そこで勧めている作品にとって本当にありがたいことなのかなと、少々首を傾げざるを得ないのです。

*1:マンガ大賞2009最終ノミネート作ですし、先日マンガ大賞2011にもノミネートされましたね。田舎のうちの店でも売れているくらいなのだから都会ならもっとでしょう。

*2:もっとえげつない深読みはできますが、ここでそれを問うのは本意ではないので省略しました。