月姫 感想
プレイ終了しましたので、いつも通り取り留めのない感想です。ネタバレはありません。
○プレイ前の状況
型月作品は、『Fate/stay night』をプレイしたのみ。ちなみにFateは大傑作の評価でした。
○雑感
プレイ時間はおよそ40時間。全体的には良作でした。
個別で行くと、翡翠ルートは超傑作。主人公・遠野志貴の過去、メイド姉妹の関係、遠野家の真実、それらが絡み合った先にあるあの結末は素晴らしいものがあった。
翡翠ルートだけエッチシーンにおいて3回戦までやるの、まさに淫乱メイドといったところである(メガネクイッ
正直言ってそれ以外のルートはそこまででも……と思った。だいたいどのルートも終わり方が完全無欠のハッピーエンド! ではないあたりが、時代を感じさせるし、伝奇ものだなあと。先にプレイした『Fate/stay night』よりも伝奇色は強いように感じた。
個人的には、序盤、中盤が予想していたよりもあまり盛り上がらず、終盤でグッとくる印象でした。ラストはどのルートもそこそこいいです。その中でも翡翠ルートだけは突出してます。
シナリオライター・奈須きのこのテキストですが、リーダビリティ(読みやすさ)はこちらのほうが上だなあとも思いました。そんなに癖がない。
バトルシーンの演出、CG、BGMの豊かさについては、圧倒的に後年の『Fate/stay night』に軍配が上がります。いやまぁ00年代初頭の同人ゲームという観点からいけば破格の出来だとは思いますが。
あと、本作も間違いなく主人公『遠野志貴』のお話ですね。疑う余地がありません。とりわけ翡翠ルートの 「9/折紙。」冒頭の独白がまぁ全てですね。
『月姫』ロゴのフォント、いわゆる金文体だと思われますが、ほかにエロゲーで使われているのだと、近年のPurple softwareの作品が思い浮かびます。(未来ノスタルジア、ハピメアシリーズ)
○まとめ
伝奇ものの良作といったところでしょうか。後年の『Fate/stay night』には劣りますが、ルートによっては相当光るものがあり、中々のエロゲー体験だったと思います。
○製品Link
OHP-月箱
○余談-プレイ環境について
僕のプレイ環境はWindow 8.1(64bit)です。
当然、製品対応OSではないので、インストールまでしか行えず、起動しようとしてもエラーメッセージが出ますが、以下のページを参考に対処しました。
- d3drm.dll がない
http://phyllotaxis.hatenablog.com/entry/2015/04/29/114008
これ、2年くらい前にCIRCUSの水夏(初代CD-ROM版)をやろうとしたときも同じ状況に陥って、同様の対処をして回避したことがあります。若干手順は違いましたが、同パソコンです。*1
参考までに、いわゆる「BGMをCDから直接読み込む古いゲームで、ディスクレスで遊びたい」場合に使えそうなツールがありましたんで、そちらも貼っておきます。
- _inmm.dllのホームページ
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/8282/
また、本作品はいわゆるCDからBGMを読み込むタイプのゲームなんですが、僕の環境ですとBGMがループしなかったので、以下の方法でディスクレス、BGMループ不可を回避しました。
http://homerareru.blogspot.jp/2016/05/cd.html
上記URLのページに書いてあることを実施して、何かあっても自己責任で……よろしくお願いします。
年始のご挨拶
新年、明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
さて、年始の挨拶記事で目標を書くこと自体久しぶりなんですが、挙げてみたいと思います。
- コンスタントにエロゲーをクリアする。
まぁこの一点に尽きますね。オタク活動自体の波が激しく、モチベーションの上がり下がりによってはエロゲーを全くやらなくなったり、ガッツリはまったりしていて……16年、17年と新作をほぼやっていませんでした。ある種のスランプでしたが、先日クリアした『Fate/stay night』以降、現時点ではモチベーションが高いので、頑張ろうかなと。
今年は新作と旧作をバランス良く消化していければなと思います。
あとプライベートのことについては、明るい話を多分ご報告できそうです。ちなみに結婚ではありません。
本年も「りんごはおかずだよ」もといk-pを、よろしくお願いいたします。
Fate/stay night 感想
備忘録としてもろもろを箇条書きで。
核心をつくようなネタバレはないと思います。
○プレイ前の状況
・エロゲーマーとしては11年、プレイ作品数は批評空間へ登録しているものだけだと250くらいですが、もう少し多いはず。有名作はやっていたりやっていなかったり。ニッチなところはやっていない人よりは若干プレイしているか知識がある程度。わりと作品プレイ傾向は捻くれてたことがあります。最近じゃ素直にだいぶなんでもやるようになりました、ってところ
・Fateシリーズは、通読したのはFate/ZEROの小説のみ、それ以外だと劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」の第一章を見ただけ。ほかは知りません。
○プレイしたバージョン
・シリーズとして最初に発売されたFate/stay nightとなります。
○プレイ後の感想
・紛うことなき傑作でした。全エンディング制覇。プレイ時間は56時間くらい。日数にして24日、エロゲーをやるときはずっとこの作品に浸かってました。プレイして本当に良かった……と思えるエロゲー体験は本当に久しぶりです。
・一番面白かったのは圧倒的に桜ルートです。聖杯戦争の真実、士郎の、正義の味方という価値観のシフト、いちエロゲーヒロインとして見た時の間桐桜の感触。さすが長いだけあっていろんな要素をぶち込みすぎだけど、よく成立してるし、滅法面白い。
ただこれも、セイバールート、凛ルートを読み込んだ上での桜ルート、というのは本当でしたね。桜ルートだけ読んでも、過程をすっ飛ばしてるから「フーン( ´,_ゝ`)」ってなること請け合い。
とはいえ3ルートは全部が独立した話なので、たとえば士郎の価値観のシフトについて、あくまでこの感触はゲームプレイヤーが感じるものでしかないですけど……なんだろう、重厚なエロゲーであることを最大限活かしているというか。特別なことはせず、ひたすら積み上げていき、そして『Fate/stay night』という一番の大枠のカタルシスを桜ルートで味わうところに、ドハマリしました。
・桜ルートでのただ一つ不満があるとすれば、よくインターネットで見られる『Fate/stay night』における汎用性の高い名言・至言が見られなかった点ですかね。「ふーん、アンタが私のプロデューサー?」みたいな。
・「やっちゃえバーサーカー」「問おう、あなたが私のマスターか?」「別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」「さらばだ。理想を抱いて溺死しろ」「いくぞ英雄王――武器の貯蔵は十分か」「―――体は剣で出来ている」……と羅列してみましたが、分量の割には少ないですかね。
・あと、アーチャーの正体はマジで知らなかったですし、明かされたときは本当クリックする手が止まりました。。僕の場合、今までFateシリーズにまったく興味がなかったことも相まって、多分知らず知らずのうちに目に入っていなかったのだと思います。
・奈須きのこが書くテキスト、ストーリーはこれが初だったんですが、予想していたよりもエロシーンの描写が普通に上手くて(エロくて)驚きました。これは個人的には一番意外だったかな。
・タイガー道場の反省会でも言われていましたが、この作品はどう考えても主人公・衛宮士郎の物語ですね。ここまで主人公の物語をやり通したエロゲーは他に類を見ない気がします。そういう意味では、この作品はあまり考察の余地がない。でも聖杯戦争というシステムについて妄想をふくらませると、かなり多くの二次創作が生まれそうな――というか今まで実際生まれてきたんだと思うんですが――、懐の深い作品だなと。
・すごく偉そうに書きますが、ある程度エロゲー体験を経たうえでプレイしても面白い、どころか大傑作だと言わざるを得なかった。この作品がいかに絶対的な大傑作か、ということを心に強く感じました。
まぁ……正直言って打ちのめされました。やたら話が長く、でもその上で面白いエロゲーって完走した時に感じる強度ってこんなにも違うのか……という具合に。ただ、別にこの作品をプレイしたからと言って他のエロゲーが霞むとかそういうことじゃなくて、他の傑作・良作等々の価値を落とすことなく、でも「Fate/stay nightはすごいよね」と素直に言える……そんな感じです。
あと具体的にどうというわけではないんですが、ちょっとエロゲーに対する価値観が変わったというか、物凄い揺さぶりをかけられた感触はあります。僕の中では、これは『CROSS†CHANNEL』とか『群青の空を越えて』とか……最近だと『ChuSinGura46+1』とかかな。それ以来の手応えで、もっと早くにやっておけばよかったかなと。
ただもっと早くに触れていたら、どう思ったかはわかりません。エロゲーでも小説でも、僕は頭のいい読み手ではなく、昔はもっと悪かったので、多分良さを理解できなかったかもしれません。その観点から、今プレイして正解だったのかなーとも思ってます。
・Fate関連ではhollow、EXTRA、CCC、レアルタヌアの真エンド。さらに型月まで広げて、月姫と魔法使いの夜。さらにさらに奈須きのこの小説まで……全部手を付けるぞってくらいにはモチベーションが高まりました。
○まとめ
重厚なストーリーと世界観、個性的なキャラクター、先が気になる飽きさせない展開。読み手を大いに揺さぶる、魂の大傑作でした。
Fateシリーズという点からすれば、ようやくスタート地点に立ったところなんで、これから純粋に楽しめそうな作品が多いのはほんと嬉しい限りです。
うーん、とんでもない作品に手を付けてしまった。
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2017年冬アニメ 中間発表
放送開始1ヶ月時点。
A ガヴリールドロップアウト、政宗くんのリベンジ、幼女戦記、亜人ちゃんは語りたい
B リトルウィッチアカデミア、鬼平、ACCA、小林さんちのメイドラゴン、クズの本懐、バンドリ
C 銀魂、あいまいみー、けものフレンズ、アキバズトリップ、うらら迷路帖
D アイドル、チェンクロ、にゃんこデイズ、ハンドシェイカー、ピアシェ、セイレン、南鎌倉高校女子自転車部、風夏、スクールガールストライカーズ
E One Room、カオスチャイルド
なれる!バーストリンカー 改 感想
2012年冬に発行されたコピー誌『なれる!バーストリンカー』が、内容が追加され、しかもオフセット本で帰ってきた!! という感じだったのですが、内容的にはなるほどと思った点もあり、また不満点もありました。
適当に、良い点悪い点を挙げていきます。
・前回の紙面からそのまま持ってきている記事が多すぎる。前回の紙面は、テーマが7個に対して、今回は11個と増えているのですが、実際のところ11個のうち、7個は前回の紙面をそのままコピペで持ってきていて、新たな記事は4つしかありません。前回の冊子を持っている人にとっては、いささか新鮮味にかけるかもしれないです。ただ、前回の冊子はわりと限定的な頒布だったように記憶しているので、読者人口の拡大という点からすると、今回の冊子は意味があるのかなと思います。やっぱりこの3年半でwebを取り巻く状況が明らかに変わってきていますし、今、この本を出すことに意味があるのだという自信も感ぜられるよね。オフセット本で立派ですし。
・章仕立ての構成がよいと思いました。ザッと最初から読み進めていった時に違和感がないと思います。ただ小説は、章の中に入れるのではなくて、幕間的な扱いでちょっと息抜き程度の位置に置いておけばもっと良かったかなと。まぁあの内容じゃあ息抜きになりませんね。スクールデイズのエンディングの一つにありそう。
・為になる記事は、V・E氏「近接バーストリンク」、C・H氏「アカウント防衛ポイント」ですね。前者は新作記事かつ、今や誰しもが地下鉄などで対象に当てはまるかと思いました。
・やはり僕が一番なるほどと唸ったのはC・H氏の「バーストリンクの真髄」ですね。僕自信もバーストリンク(隠語)というのは、それこそ2012年の夏の対決から全く関係ない外野として見ていて、それ以降もバーストリンク(隠語)についての様々な“私見”を目にしてきましたが、正直言って自分の中ではピンとこなかったというか。というのも、実感がわかないんですね。理屈ではそうかもしれないけど、実体験としてなかったわけで、「まぁ世の中には色んな人がいるから、そんな個人情報を割るような人もいるでしょ」くらいにしか思ってなかったんですね。ただ、この人の紙面を読みまして、僕としては「可能性としてそれが存在するのならば、自衛をするべきだ」という考えを読んだ瞬間、なるほどなと思ったわけです。つまり自分が体験してようがしてなかろうが、誰かが僕の情報を割ってくるにしてもそうでないにしても、インターネットで生きていく上では、自衛が必須だろうと。正直言って前回のコピー誌では方法論に終始していた節があって、イマイチよく分からなかったのですが、今回の本でようやくすっきり出来たかな、といった具合です。
ただこう考えると、オープンな場ってすごく面倒くさいですね。いちいちそんなことを考慮しないといけないのが。もっとクローズドなサービスが世の中の主流にならないかなとふと思ってしまいます。