金色ラブリッチェ 感想

 全ルート+追加エピローグ+Extraまで見たんで、ぼちぼち感想をば。
 プレイ時間は31時間。下記、ネタバレありです。

 プレイ前の状況としては、
SAGA PLANETS作品は『花咲ワークスプリング!』のみプレイ済み。
・本作のライター・さかき傘の作品は、FLATの『ひこうき雲の向こう側』をプレイ済み。
 です。

 庶民である主人公が、ある出来事からお坊ちゃん・お嬢様学校に通うことになって――という話。学園生活におけるキャラクター同士の掛け合いは小気味よく、読んでいて楽しいものとなっています。
 最初から主人公にはかつて苦い過去があるという描写があるので、それを解決することで一定程度のカタルシスを得る感じなんだろうというのは序盤である程度想像がつきました。
 シルヴィア、玲奈、エル、茜ルートでは、各ヒロインの境遇や立場に合わせたストーリーが、「金色」「ゴールデンタイム」といった要素と絡んで進みます。ここまでは、まぁよくある学園モノ萌えゲーといったところでした。まぁそこそこ良く出来ているかな? 特別不満があるわけでもないというのが正直な評価。唯一違和感を覚えるとしたら、どのルートでも理亜というキャラクターが何かしら主人公と接点を持つ部分だったわけで……。

 そして、上記4人のヒロインルートが終わると、スタート画面に追加される「GOLDEN TIME」。ここからが本作の真骨頂、理亜ルートでありいわばグランドルート。主人公がファンであるマリア・ビショップという歌手と、理亜が同一人物だというのは、他のルートで明かされているので、ここまで読み進めているプレイヤーとしては周知の事実なわけですが、

・過去に主人公がシルヴィア、理亜と会っている、理亜以外の4人のルートで、主人公はその事実のキーポイントを概ね忘れている。しかし、シルヴィアは最初は鮮明に覚えている。
・理亜は金髪ショート、マリアは黒髪ロング。ここまで分かっているプレイヤー(もとい僕自身)は「もちろんウィッグなんだろう、金髪ショートだから黒髪ロングのウィッグなら隠せそうだし」と思う。

 他に忘れている要素があるかもしれませんが、この2点がプレイヤーにとってのヒントで、理亜ルートがいったいどういうストーリーなのかということ関しては実際に他の4人のルートでは一切情報が開示されず、だからこそ理亜の本当の姿については唖然としました。
 ルート終盤あたりではもう結末の予想がつくというか、実に王道な終わり方でしたが、何と言っても理亜の生き様でしょう。カッコいいということはかくあるべし、この一言に尽きます。


金色ラブリッチェ

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